世の中には「責任転嫁」という言葉があります。
しかし、僕はこの言葉に強い違和感を覚えます。その理由は、特に「転嫁」という語にあります。
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「転嫁」の由来と問題点
「転嫁」はもともと仏教用語で、「嫁ぐ先を変える」「負担を他人に押し付ける」という意味があります。
つまり、言葉の背景には 女性=押し付けられる存在 という前近代的な価値観が潜んでいるのです。
現代において、この背景を知るフェミニズム的な視点の人がこの語源を聞いたら、激怒しても不思議ではありません。
言葉自体が女性差別的な含みをもっているからです。
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代替語を考える
では、「責任転嫁」を置き換える現代的な言葉は何か。
僕はいくつかの候補を検討しました。
責任の押し付け/なすりつけ
→ 分かりやすいが、俗っぽく、重厚感がない
責任付替/責任転付
→ 音読みだと重厚感が出るが、意味の誤解リスクがある
責任移転
→ 音読みで重厚感を維持しつつ、「転がして移す」イメージがあり、少し可愛げもある
結論として、僕は 「責任移転」 を採用しました。
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「責任移転」の特徴
音読みで格好良く、重厚感がある
「責任を転がして他人に移す」というイメージが湧く
「押し付け」「転嫁」の古臭さや性差別的な背景を排除できる
会話でも文章でも自然に使える
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実用のアイデア
例えば会話でこう使えます。
あなた:「それは責任移転だよ!」
相手:「え、今なんて?それどういう意味?」
あなた:「これは僕が作った、責任転嫁の同義語だ。」
相手:「なんで造ったの?」
あなた:「『責任転嫁』は古くて性差別的なニュアンスもあるから、使いたくないんだ。とはいえ代用できる既存語はなかった。だから作ったんだよ。」
ポイントは、初回は説明が必要ですが、一度意味を理解すればその後は自然に使えることです。
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造語の動機
なぜ僕が「責任移転」を造ったのか。
それは、僕が 女性という存在に重きを置いているから です。
「責任転嫁」という言葉には女性蔑視的な背景があります。
だからこそ、その要素を排除しつつ、言葉の重みと響きを維持したかったのです。
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まとめ
「責任転嫁」は古く、性差別的な背景がある
「押し付け」ではニュアンスが軽すぎる
「責任移転」は音読みで格好良く、重厚感を保ちながら現代的に使える
僕は今後、会話や文章で「責任移転」を積極的に使っていくつもりです。
言葉は生き物。時代に合わないものは絶滅させ、新しい言葉で意味を伝えていく――それが僕の考えです。
責任転嫁という言葉の語源を知ってゾッとしたので、新しい造語を作りました。

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