【最愛の人を殺されたあなたへ】

――許さなくていい。その怒りはあなたの愛の証です。

あなたは今、計り知れないほどの悲しみと怒りの中にいるかもしれません。
愛する人の命が理不尽に奪われた現実は、言葉では表現し尽くせない苦しみをもたらします。

そして世の中には、
「犯人を許しましょう」
「憎しみを手放せば救われます」
と、あなたの心に土足で入り込むような言葉を投げかけてくる人がいます。

でも、私は違います。

あなたが今感じているその怒り、悔しさ、どうしようもないやるせなさ。
それは、何よりも深い愛の証拠です。
心の奥底から愛していたからこそ、簡単には許せない。
簡単になど忘れられるはずがない。

そして、怒り続けたいとさえ願う自分がいることに、罪悪感など覚えなくて良いのです。




あるドラマで、遺族がこう語っていました。

> 「もし、神に一つだけ願えるなら、こう願う。
この怒りの炎を、どうか消さないでほしい。」



この言葉の中には、怒りを通じて愛を守ろうとする強い意志が込められていました。
けれど、同時に人は知っているのです。

どんなに強く燃やしていても、怒りという炎はいずれ必ず、静かに弱まっていく。
憎しみは、長く持ち続けるにはあまりにも重い感情です。




あなたに伝えたいことがあります。

今すぐに誰かを許す必要はありません。
許さないと決めてもいい。
怒りのままにいてもいい。

でも、もしもある日、ほんの少しだけ心が静まり、
「もう、怒りを抱えていなくてもいいかもしれない」と感じる瞬間が来たなら、
そのときに思い出してほしい言葉があります。

> 「あなたの魂は、もともと救われているのです。」



苦しみや怒りにまみれた自分でも、最初から救われている。
そう思えたとき、あなたはその怒りを“手放す”のではなく、
“抱いたままでも癒される”という、もう一つの道に気づくはずです。




この文章は、あなたを説得するために書かれたものではありません。
ただ、静かに横に並んで、そっと手を差し伸べるためにあります。

あなたのすべてを、否定せず、裁かず、
ただ「そう感じて当然なのだ」と伝えたかったのです。

その怒りは、あなたの愛の深さです。

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