偶然の連なりとしての奇跡〜平和という奇跡に気づく瞬間〜

最近、勤め人を辞めて一人で仕事をするようになってから、
人と会話を交わす機会がめっきり減りました。

しかし、不思議なことに——
孤独を感じるどころか、むしろ世界への感謝が自然と湧き上がるようになったのです。

ある日、駅で見かけたひとつの光景がありました。
日曜日の朝、電車で出かけていると知らない家族の笑顔に目を奪われました。私は少しうれしくなり、とはいえ凝視するのも不自然なので乗り換えホームへと移動しようとするとお父さんと見られる人が『はははっ!』と笑い声をあげました。

その理由は分かりませんし知ろうとも思いません。


しかしそれを聞いただけで、胸がじんわりと温かくなり、なぜか涙が出そうになりました。

自分でも少し驚きました。
なぜ他人の家族の笑顔に、こんなにも心が動くのか。

その感情を静かに分析してみたところ、
それは「平和という恵み」への感謝であることに気づいたのです。

今この瞬間、
日本という国では、たまたま戦争が起きていない。
たまたま飢えに苦しむ人が少なく、
たまたま目の前の家族が脅威に怯えることなく、笑顔でいられる。

そして、その「たまたまの平和な光景」を、
自分が肉眼で見られたという事実。

そのすべてが、偶然の連なりとしての奇跡なのだと感じました。

私たちはつい、
“平和であること”を前提に日々を過ごしてしまいます。
しかし、本来それは決して「当たり前」ではありません。

世界のどこかで、同じ人間が戦い、苦しみ、
明日を信じられずにいる。

その現実を知っているからこそ、
目の前の穏やかな笑顔に、深い意味を感じてしまうのだと思います。

平和とは、静寂ではなく奇跡。
その奇跡を見逃さず、感謝できること。

それだけで、今日という一日が
何より尊いものに思えてきます。

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