若者の欲望の変貌の歴史
時代ごとに、若者たちが何を欲し、何を目指して生きてきたのかは大きく変化してきました。
高度経済成長期(1960〜80年代頃)
「より良い生活をしたい」「物を手に入れたい」というモノ的欲望が中心でした。
クルマ、マイホーム、家電製品。若者たちは親よりも良い暮らしを求め、ベストワンを競っていました。
バブル崩壊以降(1990〜2000年代)
社会の不安定化により、モノだけでは満たされない時代に。
「旅行に行きたい」「友達と楽しみたい」「自分らしく生きたい」など、
体験や人間関係、自己実現に価値を見出すようになっていきました。
現代(2010年代〜現在)
スマートフォンやSNSの普及で、欲望はさらに細分化しました。
「承認欲求」「趣味の最適化」「最低限で十分」といった傾向が目立つようになり、
ベストワンやオンリーワンを目指すよりも、平凡で安定した幸福を追う層が増えています。
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現代若者の二極化
この現象を踏まえると、現代の若者は大きく二つの層に分かれます。
1. 家畜化された層
少ない給料で働き、最低限の生活を維持する。
SNSやスマートフォンで与えられる疑似的な幸福で満足する。
自ら挑戦せず、まやかしの幸福に安住する。
最後に残るのは、死の間際に訪れる虚無感――「自分の人生は何だったのだろうか?」という問い。
2. 努力して成功する層
戦い、挑戦し、苦悩を引き受けながらも成果を残す。
子孫や作品、概念など、世の中に痕跡を刻む。
死の間際に訪れるのは「自分は確かに生き、何かを残した」という実感。
苦労は伴うが、人生の納得感を得ることができる。
この二極化は、まさに現代社会の幸福感の格差を象徴しています。
家畜的幸福に満足する者と、リアルな幸福を追求する者では、人生の質に天と地ほどの差が生まれるのです。
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第三のゾーンとは
では、その先には何があるのか――それが「第三のゾーン」です。
第三のゾーンは、単なる幸福の追求でもなく、努力と創造の果実を得ることでもありません。
それは、すでに人生の歩みを終えたかのような安定と、さらに自由な創造が同居する境地です。
家畜化された層が味わう虚無もなく、
努力して成功した層が得る納得感も超えた、さらに高次の自由。
ここでは、人生を生きること自体が喜びとなり、制限のない創造が可能になります。
欲望にも理性にも縛られず、感情の波にも翻弄されない状態です。
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第三のゾーンに至る道
誰でも到達できる可能性はあります。
ただし道は険しく、努力が不可欠です。
第一歩は「家畜からの脱出」
まやかしの幸福に満足せず、消費的な生活を見直すこと。
例えば、スマートフォンから意図的に距離を置くことも一例です。
最初は1日だけでも良い――そこから自由と創造の感覚を実感できるのです。
第二歩は「挑戦と創造」
自分で考え、行動し、成果を世に残すこと。
苦悩を伴いますが、これにより人生の納得感を得られます。
最終段階が第三のゾーン
成果を残し、納得を得たうえで、さらに自由な創造を楽しむ境地。
もはや虚無に怯える必要もなく、人生そのものを遊びながら生きられる状態です。
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おわりに
現代の若者は、かつての「ベストワン」や「オンリーワン」を競う時代から離れ、
「平凡な幸福」で満足する層と、努力して真の幸福を追う層に二極化しています。
その先には、さらに上の境地――第三のゾーン――が存在します。
ここでは、人生のすべてを体験し、納得し、なおかつ制限なく自由に創造することが可能です。
挑戦し、努力し、まやかしを捨てること。
それが第三のゾーンへの第一歩となります。
まやかしの幸福、家畜化からの脱却と「第三のゾーン」

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